騙されてもあきらめない。世界ナゼそこに?日本人SP「フィジー&タイ秘境の民族と暮らす日本人」
昨日、テレビ東京 の「世界ナゼそこに?日本人スペシャル」を見ましたが、「フィジー&タイ秘境の民族と暮らす日本人」というテーマで放送していました。
フィジーの日本人は、安定の公務員を辞めてフィジーに移り住むという無謀さで、家族に愛想を尽かされるという堤憲治郎さん。
人の良さが認められて、先住民の3代前の首長の娘と結婚し、新しい幸せを見つけるわけですが、次に紹介したタイの日本人の方がインパクトがあったので、それほど心に残りませんでした。
タイの日本人は平岩晩雄、加代子さんご夫婦ですが、タイで2度も詐欺にあっているのに、あきらめない精神がすごいと思いました。
精米機器メーカーに勤務していた平岩さんは、ある日、タイへ行って日本の精米器を売ってくるように会社から命じられます。
タイで飛び込み営業をする平岩さんですが、滞在しているうちに、貧困によって学校にも通わず働いている子供たちを目にします。
子どものいなかった平岩さん夫婦は、タイの子供たちのために何かできないかと、里子支援プロジェクトに参加します。
里子支援プロジェクトは、タイの子どもの義理の親となって養育費や学費の援助をするもので、平岩さん夫婦は、12年間もの間、3人の子どもが学校を卒業できるように定期的にお金を送っていたそうです。
会社で支店長を任されるまでに出世した平岩さんですが、52歳のとき、仕事でたまたま訪れたタイのチェンライというところで、日本米を作っているある男性と出会います。
そして、「この土地で世界最高のお米を作りたいので、助けてほしい」と頼まれるのです。
この男性と一緒に、平岩さんは会社を辞めて1500万円もの出資金を出し精米会社を起こすのですが、仕事が順調に軌道に乗ってきたとき、自分が詐欺にあっていたことに気づきます。
会社の登記に平岩さんの名前はなく、役員にもなっておらず、サイン権(代表権)もないことが明らかになるのです。
そしてさらに追い打ちをかけるように、以前から送金していたタイの里子支援プロジェクトも、お金を受け取っていた代表者が私腹を肥やすための詐欺であることが明らかになるのです。
私なら、2度も詐欺にあった時点ですべてをあきらめてしまいそうですが、平岩さんは違うのです。
老後のために残しておいたお金をもとに、自分ひとりで精米会社を起こし、わずか2年で軌道に乗せたのです。
それだけでも平岩さんの精神の強さを感じるのですが、さらに、もう一つ、心に響くエピソードがありました。
平岩さん夫婦は、リス族の村(ロパトム村)に遊びに行った時、赤ちゃんを背負いながら背丈以上の長いほうきで掃除をさせられている5歳の少女を見つけました。
その少女は生まれてすぐに母親が他界し、その後すぐに父親が再婚したため、継母と暮らしていました。
継母は自分の子だけを可愛がり、夫の連れ子となる少女には辛くあたったそうです。
一緒に食事をとることも許されず、食べ物も十分に与えられません。
家事に子守りに、すべての仕事を押し付けられた挙句、家族と一緒に寝ることも許されませんでした。
イジメを受けていた5歳の少女を見て、平岩さんは、「おじさんたちと一緒に暮らさないか?」という言葉を思わずかけてしまったそうです。
平岩さんは少女の両親に、「自分の子として引き取りたい」と申し出ますが、人身売買と勘違いされてとりあってもらえませんでした。
あきらめきれなかった平岩さんは、村長を交えた話し合いをします。
それでもなかなか決着がつかないのですが、業を煮やした平岩さんは、「子どもを奪うのでも買い取るのでもない!預かって学校に行かせるだけだ!返せと言われたらいつでも返す!」と叫んだそうです。
その言葉を聞いて、少女の両親は折れました。
少女の名はアヤちゃん。
アヤちゃんは言葉と文字を学び、幼稚園、そして小学校へと上がっていきます。
平岩さん夫婦と一緒に家族として過ごすアヤさんは、とても幸せそうです。
平岩さんは、定期的に両親のもとへアヤちゃんを里帰りさせ、約束を守っています。
里子支援プロジェクトで詐欺にあったことのある平岩さんが、再び里親となるために村長まで巻き込んで両親を説得する粘り強さに感動しました。
私にも、平岩さんのような強さがあったらな、と思います。
私は、療育など、娘の成長のために娘と向き合うことはあきらめないけれど、学校など、他人と交渉することはすぐにあきらめてしまうことが多いです。
学校の先生と意見がぶつかり合って、精神的に追い込まれている人が身近にいますが、なかなか受け入れられないことや理解されないことを、時間をかけて説得したりするのは強いメンタルを持っていないとやっていけませんね。
私は自分がそんなに強くないということを知っているので、最初からぶつかっていかないのですが、もう少し、主張したほうがよいかと思っている今日この頃です。
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