長崎県佐世保市の高校1年生の事件で、加害者の女の子はサイコパスだとかアスペルガーだとかいう意見が出ているのをネットで見かけましたが、はたしてサイコパスとアスペルガー症候群は同列のものなのか、ちょっと考えてみました。
そもそもサイコパスとはどういった人のことを言うのでしょうか。
定義を調べてみると、日本では精神病質と訳され、反社会的な人格の一種を意味する心理学の用語だそうです。
心理学用語ということは、診断名ではないのですね。
サイコパスの特徴は、心理学者によって若干の違いがあるようですが、良心が欠落しており、無慈悲で冷酷といわれています。
罪悪感も後悔の念もないので、平気で社会の規範を犯し、人の期待をも裏切り、好きなように振る舞うのだそうです。
一方、アスペルガー症候群はというと、自閉症にも挙げられる、いわゆる「3つ組の障害」があります。
一つは社会性の問題、二つ目はコミュニケーションの問題、三つめは想像力の問題。
この3つ組の障害について詳しく説明すると長くなりそうなのですが、すべては想像力の問題が影響しているように思います。
予測・推測する力が弱いため、不安になったり、空気が読めなかったり、こだわりを持ったりするわけです。
サイコパスの場合は、良心の有無が問われますが、アスペルガーの特徴として、良心の有無はあまり関係がない気がします。
私の娘はアスペルガー症候群と診断されていますが、学校や幼稚園などで、決まりをきっちり守りたがるようなところがあり、決まりを守らない人を目撃するのが怖かったりします。
要するに、臨機応変さに欠けるのですが、「平気で社会の規範を犯す」というサイコパスの特徴には合致しませんね。
ただ、「決まりを守る」というのが一つのこだわりになっている感じもあり、良心があるから決まりを守っているというわけではありません。
自分を安心させるためにパターン化した行動をとっているように思うのですが、この点、サイコパスと呼ばれる人の方が自分の欲求に忠実で、自由に行動ができているように思います。
たとえば、「おなかがすいた」という欲求があったとしても、初めて口にする食べ物だったり、初めての場所での食事だったり、一緒に食事するメンバーが違ったり、「いつもと違う」状況だとすんなり食事ができないようなことも、アスペルガーの人にはよくあるといいます。
アスペルガーの場合は、「自分の欲求が何よりも最優先」とは言えないのではないでしょうか。
サイコパスとアスペルガーは「他人の感情が理解しにくい」、という点では一致しているように見えます。
しかし、サイコパスは、「自分のことが優先だから他人の感情はどうでもいい」のに対し、アスペルガーは、目に見える物事と字義通りのことしか理解できない故に、「他人の感情を理解したくてもできない」、というような違いがあるように思います。
「猫を解剖したり、医学の本を読んでいるうちに、だんだん人間でも試してみたいと思うようになった」という佐世保市の加害者ですが、異常な嗜好性が芽生え、その欲求を満たすために行動に起こしたとすると、欲求が理性を上回ったわけですね。
自分の欲求のためなら手段を選ばないのがサイコパスといった感じで私はとらえているのですが、みなさんはアスペルガーと同じようなものだと思いますか。。。
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