今日はフジテレビ「奇跡体験!アンビリーバボー」でやっていた「謎の病原体!?★世界中で発症者急増中」という特集がとても興味深かったです。
私と娘はスギ花粉症を患っているのですが、娘は軽度のアトピーもあり、わりとアレルギー体質であるといえます。
今日の「アンビリーバボー」は、寄生虫とアレルギーの意外な関係を紹介していました。
アレルギーの 根本的な原因は、まだはっきりと特定されていませんが、一般的には免疫に何らかのエラーが生じて、本来は無害な物を攻撃することで発症すると言われているそうです。
そんなアレルギーというものに対して、驚くべき実験を行った人物が、イギリスのデヴィッド・プリチャード博士です。
彼はが行った実験は、人間を寄生虫に感染させることです。
実験に使用されたのは、鉤虫(こうちゅう)と呼ばれる腸に寄生する性質のある虫でした。
鉤虫は、成虫になると、人間の腸の中で1cmほどにまで成長するそうです。
衛生環境の良い先進国では、ほとんど見られなくなった鉤虫ですが、南米やアフリカなどの開発途上地域での感染率が高いのだそうです。
鉤虫感染者が多くいる地域では、アレルギーがほとんど見られないという研究報告がいくつも上がっていることを知ったプリチャード博士は、アレルギーの根本原因について、ある仮説を立ててみました。
寄生虫は何百万年もの間、人と共存してきた歴史がありますが、人々の生活が清潔になっていく過程で、どんどんと駆除されていきました。
すると、それまでは寄生虫に対して機能していた体内の免疫が、敵を失うことになってしまいました。
そこで、寄生虫に代わる新しい体内の敵として、本来、人間に対して無害だった花粉や食べ物などを攻撃し、体に過剰な反応が出るように。
それが、アレルギーの根本原因ではないかということでした。
「体内に寄生虫を侵入させ、免疫に対して本来の敵を与えるとアレルギー反応は治まるだろう。」
その仮説を証明するために、プリチャード博士は鉤虫に感染する実験を行いました。
まず、寄生虫に感染したことのない人間の体が、何匹の鉤虫に耐えることができるのかということを、プリチャード博士と研究仲間たちが体を張って実験したそうです。
最初に、10匹、25匹、50匹、100匹と、鉤虫の幼虫を入れた液体を作成します。
それを染み込ませたガーゼを皮膚に接触させてみます。
すると、鉤虫は肌を食い破って、体内へ侵入します。
鉤虫の幼虫というのは、自然状態では土の中に存在していて、主に裸足で外を歩いている人の皮膚から体内に入り込みます。
血流に乗り、心臓から肺へ運ばれ、やがてのどへに移動します。
そこから消化管に入り、腸に定着するのです。
この実験の結果、体調を崩さずにいたのは、10匹以下の鉤虫に感染させた研究者たちでした。
そこで、副作用のない安全な数は10匹までと決まりました。
そしていよいよ、アレルギー症状を持つ、一般の人たちへ実験が行われました。
喘息と花粉症の患者、合計31人を鉤虫10匹に感染させて、症状の変化を調べてみました。
結果は・・・、喘息と花粉症の症状にはっきりとわかる改善は見られませんでした。
実際、開発途上地域の人々は、平均で23匹もの鉤虫に感染しているそうです。
鉤虫の数を20匹以上にすれば、効果は期待できるかもしれませんが、それには高い副作用のリスクが伴うのです。
番組では、「寄生虫なき病」という著者のモイセズ・ベラスケス・マノフさんという方を取材していましたが、モイセズさんは、 体内の免疫が、毛根付近の細胞を敵と勘違いして攻撃し、毛が次々と抜け落ちてしまうというアレルギーをもっています。
モイセズさんもまた、寄生虫を体内に入れる実験を自らの体を使って試みたことのある人です。
モイゼズさんはアレルギーについての研究論文を読み漁り、寄生虫に感染する方法を知るのですが、実際に感染してみたところ、1ヶ月後、アレルギー反応で抜け落ちていた眉毛がうっすた生えてきて、花粉症も治りました。
しかし、このような効果は徐々に薄れていきました。
効果がなくなってきているにも関わらず、副作用の腹痛が続いていたため、モイセズさんは鉤虫の全部を体内から追い出したそうです。
体が寄生虫に慣れていない人が、突然、鉤虫に感染したときの反応には、個人差があるそうです。
寄生虫を体から追い出した後のモイセズさんの体は、感染前の状態に戻り始めているそうです。
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