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アスペルガー症候群の子(さや)を育てています。 3歳のときから療育しています。 アスペルガー症候群・自閉症・ADHDなど発達障害に役立つ情報の提供を目指しています。 ABA・TEACCHなどの方法のほかに、効果的だったことも紹介します。

09/10

Wed

2014

震災が起きたとき、自閉症の人は?NHK「あの日 わたしは~宮城・仙台市 高橋 みかわさん~」を見て

非常時に、障害のある子と暮らす家庭は、どういった選択をすべきか?

NHKで、「あの日 わたしは」という東日本大震災の証言を記録した5分間の番組があるのですが、「宮城・仙台市 高橋 みかわさん」の回は、お子さんの樹弥史(きみひと)さんが知的障害を伴う自閉症とのことで、いろいろ考えさせられるものがありました。

 不安な気持ちの人が大勢集まる避難所で、自分の子供はパニックを起こしてしまうと思った高橋さんは、避難所には行かずに、自宅で避難生活をすることにしました。

 あの大震災の日、高橋さんの住む地域は震度6弱を記録しました。
 マンションがギシギシきしむ音がして、建物がつぶれてしまうのではないかという恐怖があったそうです。


 震災が起きて、高橋さんが最初に考えたことは自閉症の樹弥史さんのこと。
 震災のとき、樹弥史さんは作業所にいました。
 高橋さんは樹弥史さんを作業所に迎えに行く前に、部屋の中に飛び散ったガラスを片づけ、床にダンボールとストレッチ用のマットを敷き、ほうきで掃ききれなかったガラスで怪我をしないようにしました。

 そして樹弥史さんのお気に入りのものを置いて、いつも通りに安心して過ごせる環境作りをしたそうです。

 樹弥史さんが作業所から戻ってきてからも工夫は続きます。
 エレベーターは停電のために止まっていたのを伝えるために、その状況をノートに書いてわかりやすく伝えたそうです。




 このような工夫を重ねることで、樹弥史さんは、自宅避難をしている間、一度もパニックを起こさなかったそうです。

 
 
 高橋さんのように、自宅で避難生活を送った障害者家族はたくさん存在していて、情報や救援物資を得ることができずに辛い生活を経験したとのこと。

 公的支援を受けられない状況で、「では我が家はどうする?」と考えた高橋さんは、「自分で、ある程度システムを作っておくのも一つの手段」と最後に話していました。

 
 
 高橋さんのように、支援が受けられないから「自分で」と考える思考は、障害のある子と暮らしていると、だんだんにそうなってくるのはよくわかります。

 
 数でいえば、障害者よりも健常者の方が圧倒的に多いわけだから、非常時でなくても、多数者が尊重されるのが、世の中の自然の流れなのでしょうね。


 私は障害児の親どうしの付き合いは大切にしているのですが、大震災のようなときは、こういった絆が活かされるのだろうなと、高橋さんの話を聞いて思いました。

 自閉症などの障害は、肢体不自由の障害と違って目に見えにくいので、地域に「理解者」を増やしておくことは大切ですね。

 高橋さんは、震災のときのことを、以下の本に書いているそうです。


大震災 自閉っこ家族のサバイバル
大震災 自閉っこ家族のサバイバル



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 アスペルガー症候群の子を育てている主婦です。療育や幼児教育に関心があり、読書の幅を広げています。

現在千葉県に住んでいます。出身は静岡県です。

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