今日のNHK EテレのハートネットTVは「第1回 “子どもを預かる”のいま ~ベビーシッター事件を受けて~」でした。
今年の3月17日に、インターネットのマッチングサイトを通して預けられた2歳の男の子が遺体で発見されるという事件が埼玉県で起きました。
そのとき、預けたお母さんはシングルマザーでした。
2人のお子さんを育てるためには夜も働かなければなりませんでした。
夜間でも手頃な値段で預けられる所を探し回った末に、インターネットで自称ベビーシッターの男性を見つけ、子どもを預けることにしました。
番組では、この事件をきっかけに、親側の声とベビーシッターとして働く人たちの声の両方を聞き、その実態について調査しました。
仲介サイトに子供を預ける側の事情について、保育に詳しいジャーナリストで東京都市大学人間科学部客員准教授の猪熊弘子さんが話しています。
「保育所に預けていてもそれ以外の時間に預かってもらいたい時間があり、たとえ専業主婦であっても、近くに祖父母がいないような場合、急に子供を預けなければならないときというのは必ず出てくる。
そのような場合に、より手頃な値段で安く預けたいという人のニーズがある。
また、働く人は、自分の収入と、預ける金額との兼ね合いというのも考えるので、より安いネットの仲介サイトが活用されている。」
評論家で「シノドス」編集長の荻上チキさんは、企業でやっているベビーシッター派遣は、研修もあるので質の面では安定しているが、研修などのコストを企業が負担している分、値段が高くなると話していました。
事件の後、厚生労働省がベビーシッターを利用する際の10個の注意点のリストを発表したそうです。
荻上チキさんは、この厚生労働省の提示する注意リストについて、「リストを守らないで事故が起きた場合は、預けた親の自己責任、というように利用されると方向性が違う」、「このようなリストがあっても、マッチングサイトによって、イレギュラーに悪意をもった人が入ってきた場合は防げない」と話していました。
保育の安全への取り組みを模索しているベビーシッター派遣会社として、渋谷区で20年以上営業している株式会社ファミリー・サポートの代表 中舘慈子さんを取材していました。
仲舘さんのベビーシッターの採用基準は資格よりも、「情緒が安定しているか」ということに重きを置いているのだそうです。
子供と密室で長時間一緒に過ごすのは想像以上にストレスが溜まります。その矛先が子供に向かわない人を選んでいるそうです。
株式会社ファミリー・サポートではベビーシッターに8時間の研修を課し、すぐに派遣することはしないのだそうです。
研修では、①子供から目を離さない②同時に二つのことをしない③突然の来客に対応しない、というプロとしての意識と技術を植え付けます。
保育の現場は安定して人を確保するのが難しいそうです。よい人材を探し、採用しても、辞めていく人もたくさんいて、人材不足に陥っています。
保育を含む、福祉の現場の賃金の安さの問題もありますが、質の良い保育を求めるとコストがかかってしまいます。
マッチングサイトを利用する人は、経済的な面からも今後も減ることはなさそうです。
障害のある子の場合、日中一時支援など、別の枠組みで預かってもらうことになりますね。
多動の子もいるし、預かり中のケガの話はよく聞きますが、ケガをしても、事情を話すことができる責任者が日中一時支援や児童デイの組織には必ずいるので、マッチングサイトのように責任がうやむやになってしまうことはないと思います。
ただ、きょうだい児がいる場合はきょうだいの方は利用できないので、両方預かってほしいときは日中一時支援ではないところにお願いするしかないですね。
日中一時支援も、契約をしなければならなかったり、役所で受給者証の発行や変更があったり、保険に入らなければならないところがあったりと最初は簡単にはいきませんが、手続きさえ済めば、あとはスムーズに子供を預けられます。
我が家では、娘が夏休みになったときに日中一時支援を利用しようか検討中です。
支援者の情緒が安定しているとよいのでしょうか。。。
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