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アスペルガー症候群の子(さや)を育てています。 3歳のときから療育しています。 アスペルガー症候群・自閉症・ADHDなど発達障害に役立つ情報の提供を目指しています。 ABA・TEACCHなどの方法のほかに、効果的だったことも紹介します。

06/05

Thu

2014

ハートネットTV「シリーズ 選ばれる命 第2回 出産・母親たちの苦悩」を見て

 連夜で放送しているNHK Eテレ ハートネットTV「シリーズ 選ばれる命」ですが、 「第2回 出産・母親たちの苦悩」を先ほど見ました。


 今回の内容は、実際に出生前検査を受け、苦悩や孤独を感じた経験のある人に焦点をあてています。

 日本でも昨年、新型の出生前検査が始まりました。
 わずかな血液採取で、ダウン症など3つの染色体異常の可能性を調べることができます。
 (ちなみに東尾理子さんが受けた検査は新型以前のクアトロテスト血液検査)

 
 新型出生前検査の費用は20万円ほどだそう。
 高額な気がしますが、検査導入後、1年間で約8,000人の妊婦が行ったそうです。
 精度が高く、流産をするリスクもないことで、検査を受けたいと思う人が増えているという背景があるようです。


 番組で、「誰も知らないわたしたちのこと」という小説を書いたイタリア人作家、シモーナ・スパラコさんの講演の様子も紹介していました。

 シモーナさんは、3年前にお腹の中の子を亡くしました。
 「自分のお腹の中で育ち、早く抱きしめてあげたいと思っていた子が喪失するのはどれほどつらいか、私はわかっています」
 とシモーナさんは言います。
 
 「誰も知らないわたしたちのこと」は、出生前検査を受けて、胎児には重度の障害があると告知された主人公が、苦悩の結果、中絶することを決断するまでの葛藤と孤独感を綴った小説なのだそうです。

誰も知らないわたしたちのこと
誰も知らないわたしたちのこと

 子供が手の届かないところへ行ってしまう恐怖と、それでも自分の人生を継続していかなければいけない現実といった強い葛藤は、経験した本人でなければわからない。
 だから、そのすべてを伝えなければ、と思ったんです。」
 とシモーナさんは話していました。


 番組では、出生前検査を受けた妊婦の葛藤を軽減する取り組みとして、ドイツの「妊娠葛藤相談所」というシステムを紹介していました。

 妊娠葛藤相談所では、妊婦とその家族が、専門の相談員のカウンセリングが何度でも無料で利用できるようになっています。
 そこでは、様々な支援団体も、要望するとすぐに紹介してもらえます。
 医師と相談員が情報を共有し、最も相応しい対応を考え、カウンセリングにあたります。
 
 番組では、胎児に重い障害が見つかり、中絶を選択したあるドイツ人女性を取材しました。
 中絶する一日前、胎児にお別れの手紙を書くように、相談員から勧められたそうです。
 女性は、新しい素敵なペンを買い、夜は夫に頼んで一人だけにしてもらい、胎児へ手紙を書きました。
 箱を用意して、胎児との思い出になるようなものと手紙を一緒に入れたとき、女性の気持ちは軽くなったそうです。

 
 また、アメリカのマサチューセッツ州ダウン症協会の取り組みも紹介していました。
 この協会は州の助成金を財源として、様々な活動を行っているそうです。
 ダウン症の子を出産した家庭からマサチューセッツ州ダウン症協会の相談を電話で受ける活動や、出生前検査の結果を受けて、出産するかどうか悩んでいる人の相談にあたる相談員を育成する活動を行っています。

 マサチューセッツ州ダウン症協会の代表 セーラ・カレンさんは、「医師に妊婦の視点を伝えることが大切で、医療面でのケアだけでなく、支援体制が整備されていることを、決断を迫られている家族に知ってもらうことが欠かせない」と話していました。
 



 日本では、出生前検査を受けて胎児に障害があるとわかった妊婦へのサポートが十分に行われる環境がありません。
 限られた期間で決断を迫られることになりますが、相談員の育成など、日本での課題は多いですね。

 自閉症など、新型出生前検査では判明できない障害もあります。
 検査費用が無料の国が増えている中、日本は20万円近くかかるわけですが、高齢出産が増えている現在、お金がかかっても普及はしていきそうですね。

 次回の「シリーズ 選ばれる命」は、各界の専門家の意見を紹介するような内容だそうです。
 


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 アスペルガー症候群の子を育てている主婦です。療育や幼児教育に関心があり、読書の幅を広げています。

現在千葉県に住んでいます。出身は静岡県です。

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