昨日放映していた日テレ NNNドキュメントは、「メロディーの向こうに 海、しゃぼん玉、七つの子」というテーマでした。
至誠館大学准教授の山田真治さんは、山口県萩市内にある全ての小学校と中学校を訪問し、童謡や唱歌を広める活動をしています。
山田真治さんがこのような活動をするきっかけとなったのは、作曲家の中田喜直さんとの出会いだそうです。
中田喜直さんは、「めだかの学校」や「夏の思い出」などで知られる作曲家ですが、平成12年に亡くなりました。
山田さんは中田喜直さんと共にコンサートを開いていたそうですが、中田さん亡き後は数ある楽譜をまとめ直しました。
山田さんは歌詞に込められた作者のメッセージを深く読み込みます。
作者の思いを感じ、子どもにとって大切なものが見えてしまうと、「伝えなければ」という使命感にかられるそうです。
最初の方の映像では、子どもたちは退屈そうに山田さんの話を聞いているようにも見えましたが、「ちょうちょう」の2番の歌詞を子供たちや先生に問いかけたり、七つの子の「七つ」とは何が七つなのかを問いかけたりしているうちに、山田さんの話に引き込まれていくような感じがしました。
「ちょうちょう」は歌詞が4番まであるということを、私も知りませんでした。
「七つの子」の七つとは、山田さんの解釈では「七歳の子」。
七五三のお祝いを例に出し、親が子を思う気持ちを説明していました。
私の娘が最近、七歳になったばかりなので、「七つの子」の歌詞は胸に染みるものがありました。
国で定めている音楽の授業時間が、平成14年度を境に大幅に減りました。
小学校では最大3割減り、中学校では半分に減っている学年もあるそうです。
子供たちが童謡や唱歌に触れる機会が私たちの世代よりも減ったというは寂しい気がしますね。
私の娘が年少のときに通っていた幼稚園(年中で転園)は、歌をたくさん歌う幼稚園でした。
私でも知らないような古い童謡なども歌っていて、お婆ちゃんの世代が歌っていたような歌を教えていただけたのは、ありがたいことだと思っています。
しかし、私の娘は歌を毎日繰り返し練習することが苦痛になってしまいました。
毎日繰り返したくさん練習すると、幼児でも素晴らしく上手になり、まだ小さい年少さんがこんなに上手に歌えるんだな、と私もはじめは感激していました。
運動でも踊りでも歌でも勉強でも、繰り返しやると素晴らしい出来栄えになってくるものですが、それについていけない子供もいるわけです。
転園した幼稚園では、歌も踊りもそんなに力を入れて教えているわけではなく、1ヶ月に1曲ずつ、新しい歌を教えていくようなペースでした。
朝の時間に1曲だけ歌っておしまいなので、同じ曲を何度も繰り返し練習したりはしません。
どちらの教育がよいとも言えませんが、子どもの性格や能力、障害の有無などによって、適した教育環境は違うのでしょうね。
話がそれましたが、子どもの合唱などを聞くと、娘が年少のときに在籍したクラスの歌声を思い出すので、こんな話を書いてしまいました。
「歌を上手に歌うことよりも大切なことがある」という山田さんの言葉を受けて、私も娘に、童謡や唱歌の歌詞の背景を伝えられたらいな、と思いました。
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