ひきこもりは親から離れるべき?NNNドキュメント「ひきこもりのシェアハウス」を見て
昨日のNNNドキュメントは「ひきこもりのシェアハウス」というテーマでした。
アスペルガーの私の娘も、人と話すのが苦手なところがあるので、関わりを絶って引きこもる若者のドキュメンタリーに関心がありました。
空手教室を営む林昌則さんは、子供の引きこもりについて、親から相談を受けたことがきっかけで、2013年4月、石川県加賀市大聖寺南町に対人関係に苦しむ引きこもりなどの人たちが共同で暮らすための家「シェアハウス百笑(ひゃくしょう)」を作りました。
林さんは、引きこもりの人は、強く言えば言うほどこもっていく傾向があると感じていました。
子供が大きくなったというのに何でも世話をしてくれる親元から離れて、少しずつ自立を促していくという目的でシェアハウスをはじめたそうです。
家賃は一人月2万円。
居住する人は、「夕食を自分たちで作ってみんなで食べる」など、様々なルールに従って生活します。
農作業や便利屋など、様々な作業にも取り組みます。
25歳の大久保卓さんはその時々で気分の波があり、攻撃的なときもあります。
卓さんは3人兄弟の末っ子で、高校を卒業した後、庭師になりました。
しかし3年前、失敗を上司に責められたことをきっかけに、自分の部屋から出て来なくなりました。
みんなが自分の悪口を言っているように感じて、部屋を出ることができなかったそうです。
30歳の桶橋崇文さん(桶さん)は、人と関わるのが苦手です。
子供の頃から反抗期もなく、真面目で「よい子」だったそうです。
大学卒業後就職しましたが、志望していた技術系の仕事ではないので、1年で退職し、派遣なども経験して入退社を繰り返し、仕事が見つからない、人の目を避ける日々が4年続きます。
書店へ行くなど、必要な外出はしていましたが、あまり他人と関わりたくないという気持ちは常にあったそうです。
最初にシェアハウスに入居したのはこの2人なのですが、卓さんは率先して作業に取り組んだり、着々とステップを踏んでいきます。
一方、桶さんは、作業も休みがちでだらだらとしている様子でしたが、14歳(中3)の丸小陸くんが入居してきて、次第に桶さんの心の変化が見られてきます。
卓さんが長期のボランティアでいなくなってから、桶さんは陸くんの面倒をよくみるようになります。
作業の途中でゲームをやりはじめてしまう陸くんの様子と、それまでの自分を重ね合わせ、気づきを得る桶さん。
みんなが出し合って保管してあるお金を、陸くんが勝手に使ってしまったとき、なかなか謝罪の言葉が言えない陸くんに、優しい言葉で桶さんが促したりします。
桶さんは、陸くんが自分と似ていると感じることで、自分のことを客観的に見ることができ、子供の頃から興味をもっていた仕事(お寺のお坊さん)につきたいと思うようになります。
桶さんは、卓さんと二人のときは大きく変わることはできなかったわけですが、シェアハウスで自己啓発する場合、三人以上の方が、よい影響を与えてくれる人に出会いやすいかもしれませんね。
シェアハウス、なかなかよい取り組みだと思いますが、多分、女の子は一つ屋根の下は無理ですよね。お風呂の問題もあるし。
番組では、子離れできていない親に原因があるように言っていましたが、あまりに突き放すと傷つけてしまうこともあるし、子どもとの距離感は本当に難しいと思います。
「自分のことは自分でやる」という生活習慣を身に着けることで、ある程度の精神的自立はできそうな気がするので、家庭でのお手伝いを促していくことは大切なのだと、番組を見て感じました。
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