NHK Eテレ ハートネットTV「どんな家に生まれても~一人親家庭を支える学習塾~」を見て
NHKのEテレ"ハートネットTV"でやっていた 「どんな家に生まれても~親家庭を支える学習塾~」を見ました。
大阪のマンションの一室にある小さな学習塾「渡塾(わたりじゅく)」は、塾長の渡剛(わたりつよし)さんが3年前に立ち上げた塾です。
「渡塾」に通う子の多くは、両親の離婚などにより一人親家庭に暮らしています。
塾長の渡さんも、一人親家庭で育っています。
親が仕事で忙しく、一人で食事をとる子が多いため、塾に通う子たちはみんなでカップ麺などの夕食をとったりしています。
「どうやら両親がいる家庭では、こうやって食卓を囲んでいろんな話をするらしいから、いろいろ喋ろうぜ」と言っている塾長の言葉が印象的でした。
この塾では、一人親家庭の子は授業料を通常の半額にしています。
週1回の授業で、月謝は4800円。
教えているのも多くは一人親家庭で育った大学生たちだそうです。
塾長の渡さんが「渡塾」を立ち上げるに至った理由は、渡さんの生い立ちが関係しています。
渡さんは未婚の母親の下に生まれました。
二人の兄と祖母に囲まれ、父親がいなくても賑やかに暮らしていたそうです。
しかし、中学生の頃に渡さんの生活が一変してしまいます。
兄が闇金融に手を出したことで、家族同士の喧嘩が絶えなくなったのだそうです。
渡さんは、少しでも母親が楽な気持ちになるように、自分が頑張らないといけないと思い、本音を隠して強気に振る舞っていたそうです。
しかし、大学受験の勉強に励んでいた高校3年生の夏、兄が再び闇金融に手を出しました。
渡さんは、自分の気持ちを抑えきれなくなりました。
そして渡さんは、それまで言えなかった気持ちを「手紙」という形で母親に伝えたそうです。
その後、渡さんには思いがけないことが起こります。
父親にあたる人が亡くなり、遺産が転がり込んだのです。
そのお金で大学に入学することができた渡さんは、自分と同じ境遇の子を支えたいと思い、大学3年生のときに塾を立ち上げました。
渡さんには、「一人親家庭ということで将来が制限されたりということは、絶対にあってはいけない」という強い思いがあります。
渡さんは、「一人親家庭の子が、自分の家庭を恨んでしまうことをなくしたい」とも語っています。
番組では、池田達拓(たつひろ)くんという不登校がちの高校2年生の子が、母親と話しているとすぐに衝突してしまうことから、塾長と達拓くん、お母さんとの三者面談の様子を写し、解決の糸口を見つけていく過程を追っています。
塾長がいることで、それまでとは違った話し合いが展開され、達拓くんもお母さんも素直な気持ちをさらけ出すようになります。
私は、気持ちをわかってほしいのに、否定的なことを言われてそれ以上話せなくなってしまう子供の思いと、夫のいない家庭で、2人の子供の両方を気にかけて生活しなければならない母親の心の余裕のなさの、両方を垣間見たような気がしました。
私はどれだけ子供の話に耳を傾けてあげられるだろうか、と自分に問いたくなる内容でした。
私の娘はアスペルガー症候群ですが、外では大人しいのに、私といるときだけは話したいことがいっぱいで、常に「聞いて聞いて」という感じです。
それを疎ましく思うこともありますが、娘の話を聞き、私がアドバイスをすることで、幼稚園での生活が安定してきたところもあるので、「話を聞いてあげる」ということは大切なことなのだと思います。
否定をせずに、ただ話を聞く。
心に刻みます。
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