先日のNHK Eテレ ハートネットTVは、「君と歩む道 ―シングルファーザーと自閉症児の20年―」というテーマでした。
川崎市幸区の新保浩さんは、自閉症の息子をもっているシングルファーザーです。
息子さんのとの生活の記録を、前向きな気持ちでホームページでつづっています。
新保さんのホームページの名前は、「そよ風の手紙」。
辛い気持ちを言葉に表せず、パニックを起こし、自傷行為を繰り返す息子の綾麻(りょうま)さん。
新保さんは、奥さんの負担を減らすため、綾麻さんが6歳のときに離婚しました。
奥さんは不眠不休で綾麻さんの世話をしていましたが、周囲の理解を得られず、精神的に追い込まれたそうです。
綾麻さんは3歳のときに自閉症と診断されたそうですが、綾麻さんは現在20歳なので、綾麻さんはのお母さんは10年以上前に自閉症を受け止めなければならなかったことがわかります。
私が7歳のアスペルガーの娘を育てていて思うのは、発達障害についての情報量が年々増えていて、書籍の数もどんどん増えているし、日中一次支援などのサービスも地域の中で増えてきているということです。
綾麻さんのお母さんが離婚して、綾麻さんから離れたことを、非難する人もいるかもしれませんが、まず、自閉症の子を育てたことのない人はその過酷さがわからないだろうし、その家庭をとりまく環境も、そこの家の人でなければわからないこともあると思います。
人は、「頑張ろう」とする行動に、気持ちがついていかなくて、時には精神疾患を患ってしまうこともあります。
新保さんが奥さんのことを語る場面はほんの一瞬でした。その一瞬に、わかる人にはわかる、「すべて」があるんですね。
昨年、特別支援学校を卒業した綾麻さんは、地域の通所施設に通い始めました。
一方、新保さんは、会社を退職し、「そよ風の手紙」と名付けた放課後等デイサービスの施設をスタートしました。
自閉症の子どもが安心して過ごせるような居場所作りに取り組んでいるそうです。
新保浩さんと息子の綾麻さんのことは、NHK「おはよう日本」でも紹介されたことがありますが、会社を退職して新しいことにチャレンジしようとした新保さんの真摯な姿勢は、人の関心を集めるものであったのですね。
きっと、そのうちまた、メディアで取り上げられるような気がしますが、新保さんのはじめた仕事と、綾麻さんのその後を見てみたいですね。
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