東田直樹さんに勇気づけられた人々。NHK「君が僕の息子について教えてくれたこと」を見て
昨日、NHKで「君が僕の息子について教えてくれたこと」という東田直樹さんについての番組が放映されていました。
東田直樹さんが13歳だったときの著書・「自閉症の僕が跳びはねる理由」は、アイルランド在住の作家、デイヴィッド・ミッチェルさんが「The Reason I Jump」というタイトルで翻訳しました。
それがきっかけで20カ国以上で翻訳されるようになり、世界で愛される著書となったのです。
ミッチェルさんには、重度の自閉症の息子さんがいますが、息子さんをどうやって愛したらよいかわからなかったとき、東田さんの「自閉症の僕が跳びはねる理由」と出会ったそうです。
ミッチェルさんは日本語教師の経験があり、日本語の書籍を理解することができます。
ミッチェルさんは、「すべての答えはここにあった」と思いました。
どうして床に頭を打ちつけていたのか、どうして奇声を発していたのか、息子さんが教えてくれたような気持ちになったそうです。
ミッチェルさんのように、自閉症の子を持つ世界中の親たちが、「The Reason I Jump」を読んで、「自分の子どもが感じていることを語ってくれた」という気持ちになったことを番組の取材で語っていました。
東田直樹さんは今、数々のメディアで取り上げられ、有名となりました。
有名になったからというわけでもないでしょうが、東田さんが行っているFC(ファシリテーテッドコミュニケーション)という方法について批判している人たちが、東田さんについても批判している意見もあちこちで見かけます。
手を添えてもらって文字盤を指すようなFCだったら、援助者が文章を勝手に作っているのでは?という疑問が投げかけられるのもわかるのですが、自分で文字盤を指したり、パソコンのキーボードを打って伝えているのであれば、疑う余地もないと思うのですがどうでしょう?
東田さんは、自分の手を使っていて、介助者が間に入っているわけではないし、FCについての批判をそのまま東田さんに当てはめなくてもよいように思います。
介助者を利用して表現するFCについては、信ぴょう性に欠けると思われてしまうのは仕方がないのですが、それでコミュニケーションが成り立っているのであれば、家族や本人と関わる人との間で利用していけばよいのではないでしょうか。
障害のある人や家族が批判にさらされるのは、見ていてとても気の毒なので、介助者を利用するFCの場合は、メディアには出ない方がよいように思います。
このブログでも、パソコンやi padで自分の意思を伝えられるカーリーのことを紹介しましたが、話し言葉を持たない重度の自閉症の人たちが、文字で思いを伝えられる可能性は、否定できないのではないでしょうか。
番組で、東田直樹さんがMRI検査を受ける場面がありましたが、言語を司る領域であるブローカ野とウェルニッケ野を結ぶ弓状束という部分に異常が見られたそうです。
逆に言えば、ブローカ野とウェルニッケ野に異常がなければ、東田さんのように、文字によりコミュニケーションが可能であるともいえるのかもしれません。
東田直樹さんが文字によってコミュニケーションができるという事実は、重度の自閉症の人の可能性を広げるものであると素直に受け取ってもよいのはないでしょうか。
世界の自閉症児の親が、東田さんの著書について語る場面が、映像としてとても輝いていて、素敵に思いました。
関連記事(1):2歳で重度の自閉症と診断された女の子がPCやi padで自分の意思を伝えている動画を見て。
関連記事(2):自閉症の人の世界を体験する動画を見て。
関連記事(3):「見える障害のあなた 見えない障害の私」を見て(NNNドキュメントの感想)
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