自閉症にも効果あり?Eテレ サイエンスZERO「心と体を支配する!神秘の物質ホルモン(2)オキシトシン」を見て
先日、NHK Eテレ サイエンスZEROで「心と体を支配する!神秘の物質ホルモン(2)~オキシトシン~」というテーマの特集が放映されていました。
以前、このブログで自閉症スペクトラム障害の患者に対して「オキシトシン」を鼻の中にスプレーすることで、対人コミュニケーション障害が改善されたという東京大学の研究を紹介したことがあります。
金沢大学の「子どものこころ発達研究センター」のwebサイトに、「オキシトシンの広場」というページがあるのですが、自閉症患者への使用例が紹介されていて、参考になります。
今回、「サイエンスZERO」でオキシトシンについて紹介していますが、自閉症に効果があるというような言葉は避けていました。
番組では、「特定のタイプの遺伝子を持つ場合、オキシトシンやそれを受け取るための受容体が減る」というように、遺伝子によってオキシトシンの働きが弱いタイプがあると説明しているので、自閉症スペクトラムの人も、そのようなタイプに該当するのかもしれません。
クレアモント大学のポール・ザック博士は、オキシトシンを増やす方法を研究しているそうです。
ハグなどの体の触れ合いをしたり、会話の際に相手の目を見たりすると、血中のオキシトシン量が増えるという結果が出ています。
相手の立場や気持ちになって目を見ると、さらに効果的なのだそうです。
スポーツやゲームなど、一緒に活動をした際にもオキシトシンは増えます。
また、番組では、一人でいてもオキシトシンを増やせる方法も紹介していました。
それは、本を読んだり映画を見て、感動することです。
登場人物に共感することによって、オキシトシンを増やせるのだそうです。
このようなオキシトシンを増やす行動は、オキシトシンの受容体の数も増やすことになり、オキシトシンの作用が強まることにもつながるのだそうです。
人は遺伝子やホルモンにコントロールされているだけではなく、自身の行動によって脳内を変化させることができるのですね。
人に対して優しくなれるというオキシトシンですが、自閉症スペクトラムの治療で実践的に取り入れられる日は来るのでしょうか。
今後の動向に期待したいですね。
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