NHK Eテレ「ハートネットTV」で3日にわたって「子どもクライシス」というシリーズを放映していました。
第1回めは「貧困・追いつめられる母子」というテーマでした。
非正規雇用で働く人が増加している中、十分な収入を得らないシングルマザーの家庭に焦点をあてていました。
貧困から抜け出そうと市役所に相談に行っても、生活保護が受給できる割合はたったの15%。
シングルマザーでも、健康で就労できる見なされると生活保護は受け付けてもらえないことが多いそうです。
非正規雇用でしか働けないシングルマザーは多く、生計を立てるために複数のパートも掛け持ちすることになります。
その結果、仕事に追われることになり、親子で触れ合う時間もなくなり、子どもにしわ寄せがいきます。
大阪子どもの貧困アクショングループ代表である徳丸ゆき子さんは、活動の中で様々な母子の貧困を目の当たりにし、その実状をリアリティのある言葉で話していました。
番組で、スタジオに社会活動家で法政大学教授の湯浅誠さんを招いていましたが、湯浅さんの公式サイトを見たら、「子どもクライシス」の撮影が難航していたという裏事情も書かれていました。
確かに、家庭内の事情を全国ネットで放送されるのですから、そのテーマが貧困ともなると、撮影を受け入れてくれる家庭も少ないでしょうね。
おやつも食べられず、ご飯もおかわりできず、お腹いっぱい食べられないような子供が、この国には6人に1人の割合で存在しています。
明日食べる物がないといった状況を絶対的貧困というなら、おかわりできなくともかろうじて食べられる状況は相対的貧困というそうです。
6人に1人という割合でいうと、学校で30人のクラスに5人いることになりますね。
とても他人事とは思えない数字です。
私の娘が4年近く通った療育センターでも、経済的な理由でやめてしまった人がいたことを思い出しました。
療育センターにかかる料金自体は、市から補助を受けているので高額にはなりませんが、母子で通わなければならない時期があったり、母子分離になっても保育園ほど長い時間ではないので、働く母親には時間的に負担になることもありそうです。(地域によって違うかもしれませんが)
療育が必要な子が療育を受けられないというのは、本当に残念ですね。
母親に「療育を受けさせたい」という気持ちがあるのにそれが叶わない場合は余計に。
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