アメリカ ABC放送のテレビ番組で、「What Would You Do?(あなたならどうする?)」という番組があるそうです。
YouTubeにも字幕つきのものがいろいろ投稿されています。
字幕は完璧とは言えませんが、内容はだいたいわかると思います。
どんな番組なのかというと、簡単に言えば、人のモラルを問うような内容の「ドッキリ」を仕掛ける番組です。
芸能人の寝起きを狙うような日本のドッキリとは違い、考えさせられる内容となっています。
日本でこのような番組が作られたら、善意の人を試したりするようなところが問題とされそうです。
What Would You Do?シリーズで、「あなたならどうする?食堂での自閉症差別」というタイトルの動画を見たのですが、お店の中での自閉症の子の振る舞いとそれに対する反応が映し出されています。
両親と娘、自閉症の息子、自閉症の子を差別する客など、役者さんがニュージャージー州の食堂で演技します。
食堂にいるその他のお客さんはドッキリの対象で、一般の人です。
自閉症の子は、同じ言葉を繰り返したり、お店の中を歩きまわったり、コップを落としたり、目立つ行動をし、両親が周囲の人に謝っています。
周囲の人も、「問題ありませんよ」と優しく言ってくれます。
自閉症の子を差別する役まわりの男性が、「あんたたちは家に帰ったほうがいいんじゃないか」「彼をコントロールできるのか」「彼は手におえない」など、差別を印象付ける言葉を両親に投げかけます。
それを聞いている食堂の他のお客さんたちは、しばらく何か言いたげでも黙っていましたが、一人の男性の「口を閉じるんだ」という発言がきっかけで、「みんなに迷惑をかけているのはあなたよ」と発言する女性も出てきます。
そして、差別する演技をしている男性が、お店の外に出ようとすると、店内で一斉に拍手が起こります。
店内のお客さんが、一つの心になった瞬間でした。
この動画に寄せられているコメントも考え深いものがありました。
「苦情を言った人は別に悪くはないと思う。保護者が管理できなくて、他人に迷惑をかける行為は許されない。」といった、厳しめの意見もありました。
私の感想としては、迷惑かどうかよりも、この自閉症の子は訓練で食堂で落ち着いて食事をすることは可能だろうな、という療育目線で見てしまいました。
最初はお店の滞在時間を短めに設定し、食べるものも簡単に食べ終わる量にして、本人の様子や行動を見ながら少しずつ時間と食べる量を増やしていくような方法や、大きな声を出さず、立ち歩かないで座って食事が出来たらシールを貼り、集まったらご褒美がもらえるトークンエコノミー法など、訓練方法はいろいろありそうな気がします。
まあなんにせよ、アメリカ人は松岡修造のように熱いな~と思いました。
日本人は、「我関せず」の人が多数を占めそうな気がします。
「What Would You Do?(あなたならどうする?)」のシリーズ、なかなか見応えがありますね。
他のテーマの動画も見て見たいと思いました。
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